行き先:未定

41歳!になった人間のこれからの旅路

強迫性障害:不潔恐怖とうつ状態になってみて①

みなさまは強迫性障害というものをご存知でしょうか。

私も自身がなってみてはじめて存在を知ったのですが、強迫観念や脅迫行為によって日常生活に支障が出てしまう不安障害のひとつだそうです。

強迫観念は大きく分けて4つ存在し、私はその中の不潔恐怖にあたります。

 

不潔恐怖になったきっかけははっきりと覚えており、それは会社の引っ越しでの出来事でした。引っ越し当日数人で更衣室に土足であがっており、翌日の始業開始で土足厳禁なんだと初めて知ったのです。

ただその時はなんとも思わず「そうなんだ~」くらいだったのですが、仕事が終わって家に帰り靴を脱いでそのまま部屋の中へ数歩入った瞬間、雷が落ちたかのように脳裏に「私いま(足裏)汚いやん!」が浮かんできたのです。

土足であがっていた場所を翌日は靴下であがり、その靴下で家の床を歩く!汚い!!って脳みそが支配されてしまったんですね。

 

今までの自分だったら床に直接かばんを置いたり全然気にしないタイプだったのに、何故かその時はだめだったんです…もうそうなれば頭からそのことが離れず、その日からもう床は汚い床に落ちたものは汚い、そう思うようになってしまいました。

他の方からしたら「はぁ~床掃除すればすむはなしじゃん!スリッパ履けばいいじゃん!」で済む理解のできない思考回路なんでしょうけど、そうはなれないのが強迫性障害の怖いところだと、日を追うごとに理解させられる私なのでした。

 

 

最初の対象は、地面・床だけだったし、それ以外は普通に生活でき気になることもまだわずかだったのですが、会社等で床に直接置いていたものを素手で触り他の物を触っているのを見かけると、そのひとが触ったものが触れなくなりました。

触らなきゃいけない場合は、失礼と思いつつ後でウェットティッシュで手を念入りに二度ぶきしたり。ドアノブや共有物に家の中のものまで、あれもしかして汚いんじゃと脳みそによぎったらもう最後触れない対象に。

それでも仕事なので触ってはウェットティッシュで拭くを繰り返していたら、あっという間に手が真っ赤になり手の洗いすぎで冬でもないのに血がにじむほど荒れていました。

あとは自分の机にウェットティッシュの残骸の山が毎日あるので、それを聞かれるのも辛かったですね。

 

そうやって自分だけが思う『汚い』が増えていって数か月が過ぎ、家で手を洗っても水しぶきがとんでちょっとでも飛べば泣きながら手洗いをやり直し…しまいにはヒステリックに泣き叫びながら手を洗ったり床を拭いたりしていました。

この時は知らなかったのですが脅迫行為(強迫観念で生まれた不安を振り払うために何度も同じ行動を繰り返すこと)を繰り返すことが、より症状をひどいものへを誘っていたのです。

 

そんなこんなでなんとか1年程やり過ごしてきたのですが、いつものようにスーパーで買い物をしていたら買い物かごを床に直接置いている光景が目に入りました。私の脳内では、買い物かごは重ねるから床に接した部分が他のかごにくっついて汚れているんじゃ…と思ってしまったのです。

どこかでみかけたのですが、不潔恐怖の人はスーパーで買ったものを家に持ち帰って洗うという脅迫行為をしてしまったらもう最後だそうで、私はそれをここから2年半以上続けることになるのです。

 

プラスチックの袋に入っているものはハンドソープで丸洗いし、洗えない紙製とかはウェットティッシュで丹念に拭く、野菜や洗剤は汚いコーナーに置くのでそのままでよし!のような感じです。

家に帰ってきてすぐに洗浄にとりかかるのですが合計2時間ほどかかり、そこからお風呂に入るのでご飯は23時頃。脅迫行為によって人よりいろんな行動に時間がかかるので寝るのはだいたい26時頃で睡眠時間は5時間ほど。

それが積み重なりストレスがたまり家に帰ると泣きながら発狂して生きていたくない死にたいと思うまでになっていました。(しかも残業も重なっていたため)

 

ここまで読んでいただいた方でもなんでこうなるのか理解できないと思います。自分でも自分がこんなにおかしく壊れていくのが理解できなかった。

 

そこでようやく会社の上司に相談し、会社の産業医との面談を予約してくれました。

産業医さんの前で感情があふれ泣きながら死にたいです、と語ったあの日を覚えてます。それほど追い込まれる強迫性障害って本当に怖いです。産業医さんに話を聞いてもらい並行して心療内科にも通うようになりました。ようやくです。

 

②につづく